輪廻転生


夜ごと星から星へ
色とりどりの
旅をする雪纖瘦
おはじき遊びのようでした

きいんと澄みわたった音がして
そのとき
宇宙は大きな円盤でした

まわるまわる
輪廻転生瑪姬美容 暗瘡
かなしいかなしいと泣いていました
たのしいたのしいと泣いていました

めくるめく
ぐるんと旅をしたあとに
待っているのは關島
蒼ざめた朝の顔ばかりでした 

  


2014年05月27日 Posted by laoeodre at 12:22Comments(0)heruitir

言葉は別離


それぞれのベッドの上には、古い顔があり、新しい顔があった。若者も年寄りもいた。歳に関係なく、人はとつぜん死んだり元気になったりした。
上下関係もなく利害関係もない。同病相憐れむではないが同じ境遇だから、誰とでもすぐに親しくなれた。眠れない夜更けに病室の白い壁をコツコツとノックする。するとすぐにコツコツと返事がかえってきた抑鬱症
そこだけに自然さがあり、自然に親しくなれたが、別れも自然にやってくる。
親しかった人が退院する日も、まだ寒い春だった。カレンダーを見つめていて、啓蟄という漢字をはじめて知った。節分や春分の日は知っていたが、啓蟄の意味はまわりの誰も知らなかった。

暦のことなど関心がないほど、まわりのみんなは若かったのだろうか。
それに、季節がどのように変わっていこうが、レントゲンの黒い影が無くならないかぎり、新しい季節は始まらないのだった。
啓蟄だろうが節分だろうが、暦のことはどうでもよかった。だいじなことは、それまで親しかった人が、その日をかぎりに元いた外の世界に出ていくということだった。新しい季節の中に出ていくということだった。カレンダーに記されているのは、そのことだった貸款服務
啓蟄という言葉は別離という言葉の代名詞として、ぼくの記憶に残った。
ずっと後になってその言葉の意味を知ったとき、白い壁をコツコツとノックしていたのは、虫の仲間だったのだと思った。

飛び立とうとする虫は美しかった。
小さなテントウムシが、ぼくの手のひらの上で羽を広げようとしていた。
虫はいくどもいくども飛びたつ試みをしたのち、やっYumei好用と思いたったように手のひらを離れていった。そうやって新しい季節が始まるのを、ぼくは知った。
いまでも地中では、虫たちが白い壁をノックしているにちがいない。
  


2014年05月27日 Posted by laoeodre at 11:59Comments(0)はねのは