数倍練習しな

毎日必ずしなければならないことは、ピアノの練習、ハープの練習、謡いの練習、仕舞の稽古。
これらは一回でも休むとその数倍練習しないと元の木阿弥になってしまう。
これにモールス信号の受信練習まで入るともう頭はパニックになる。
幸か不幸か、モールスはもうすっかりやめてしまったので、耳はただの人になってしまった。
モールス信号といえば、こんな光景をみたことがあった。
それは大きな交差点の近くに巨大なアマチュア無線のアンテナが建っている家があった。
その日は、ちょうどアンテナのメンテナンスをやっているようだった學化粧。
なにしろ9メートル以上の高さのタワーに上ってアンテナを修理しているので嫌でも目立つ。
交差点の赤信号で止まっていた一台の車がクラックションでこのアンテナ修理している人に向けてモールス信号を叩いた。
アマチュア無線局である私の耳にはそのクラックションによるモールス符号が解読できた。
それによると、
「大変そうだね、手伝おうか?」と打っていた。
つい私も反射的に「私も」とクラックションでモールスを打ってしまった。
モールス信号はかつては船で通信手段として使われていた。
あのタイタニック号の遭難のときも「メーデー」「メーデー」と遭難信号が打たれたそうだ。
今ではモールス信号はアマチュア無線の世界だけの通信手段になってしまった。
わが家にもモールスを打つ電鍵がある。
向こう側に見えるのがアマチュア無線機で、手前の丸いものがマニュピュレーターと呼ばれる横振り電鍵である。
左手でモールス信号を打ち、右手で書くという手法であったけれど、最近では筆記具の代わりにパソコンで書き留めるようになった。
わが家でこんな趣味は私しかいない。
なにしろ新しく出た無線機器や、電気機器に興味津々なのは私しかいない。
ちょっと脱線したけれど、一日もおこたらずに練習しなければならないことや、鍛錬すべきことと云うのは好きでなければやれないともいえる。
みんなもきっと筋力トレーニングや、ジョギング、楽器の練習、スクワット、など毎日かかさずするものがあるだろう。
言い古された言葉だけれど「継続は力なり」は言い得ている。
さて、今日も練習することにしよう。